筋トレと超回復

筋肉を成長させるために、絶対に理解しておかなければならない「超回復」の理論。
一部では「超回復は嘘ではないか?」との意見もあるようです。
しかし、長年ボディメイクに携わってきたベテラントレーナー達のほとんどは、超回復の存在を是としています。

今回は、筋トレの超回復に必要な時間や期間を知ると共に、超回復を活かして筋トレをより効率的に進める方法を記載していきます。

筋トレ好き必見!超回復で無駄の無い筋肉成長方法

超回復の理屈を理解し、その目安となる時間やプロテインを始めとした栄養の摂取方法を知る事が出来れば、筋肉成長の無駄を圧倒的に省く事が出来ます。

筋トレ先進国のアメリカは、合理性第一主義の国としても知られています。
その本場アメリカでは超回復は常識中の常識なのです。



嘘じゃなかった!筋トレの超回復とは?

筋トレの超回復とは

まずは超回復の仕組みを簡単に説明しましょう。
まず、筋肉はトレーニングによりダメージを受け、そこから元の状態へと回復しようとします。

そして、タンパク質を中心とした栄養を元に筋繊維の修復が始まるわけです。
この時、人間の肉体は「元のレベルと同じに戻っただけでは厳しい負荷には耐えられない」と考え、トレーニング前よりも太く、強く成長しようとするのです。

重要となるのは、筋肉が超回復を終えるまでの期間は、同じ部位の筋トレを行わないという事です。
超回復が終わっていないのに筋トレをしてしまうと、本来の力を発揮することが出来ず、意味のないトレーニングになってしまいます。
更に、怪我のリスクも高めるのです。

海外では当たり前の超回復は日本人には向かない?

アメリカやその他の海外の国では当たり前の超回復。
なぜ日本では理解や認知が遅れているのでしょうか。

その理由の一つとして、日本人独特の根性論の存在があります。
海外では、体が本調子でないなら休むべき。

という考え方が当たり前なのですが、日本の場合は「きついことをするのが美徳」とされています。
そのため、超回復期間が終わる前に、次の筋トレを実施してしまうのです。

同じ部位を毎日行うような筋トレ方法では、痛みや怪我の原因となるだけで筋肉は発達しません。
筋トレは合理的で科学的な理論が大切なのです。

筋トレ後の超回復に必要な時間の目安は?

筋トレは超回復が終わるまでしっかり休む。
これが大切なセオリーである事は上述した通りなのですが、では超回復が完了するまでの目安となる時間はどの程度なのでしょうか。

超回復にかかる期間・時間は筋肉の大きさとダメージの強さ、そして栄養状態によって変わります。
栄養状態が良好であるとするなら、胸や背中、脚部といった大きな筋肉の場合短くても48時間。

一般的には72時間くらいで、ダメージが大きいと96時間程掛かる場合も珍しくありません。
一方、腕や肩、腹筋といった小さな筋肉の場合は、48時間前後で超回復は終わるようです。

つまり、大きな筋肉は、多くても週に2回程しか筋トレ出来ません。
ただ、腕や肩や腹筋は、週に3回くらいは筋トレ出来るという事になるわけです。

超回復の期間を早める筋トレテクニック

筋トレによって筋肉の発達を進めるためには、超回復に必要な期間をいかに短くするかというテクニックについて無視するわけにはいきませんね。
実は筋肉の発達には「追い込みすぎない」ことが重要で、ほんの少しだけ余力を残した状態でその日の筋トレを終わるのが大切なコツなのです。

例えば腕をトレーニングする場合、ウォーミングセット後の本番セットでは、1セット目と2セット目だけを限界ギリギリまで高いを負荷を掛けて追い込みます。
しかし、3セット目までは時間の間隔を少し開け、インターバルを長めにとって、ややクールダウンさせるつもりで重量は変えずに5回程やって終了とします。

他の部位も基本は同じです。
完全に燃え尽きた状態で一つの種目を終わらさない事が超回復の期間を短くし、結局は一定期間におけるトータルの筋トレボリュームを増やすことに繋がるのです。

超回復は食事が大切!必要となる食べ物やカロリー

超回復には食事が重要

筋肉を癒やし、超回復の役に立つ食べ物は一体どんな物でしょうか。
また、一日に摂取すべきカロリーは、平均的な体格の人の場合どの程度なのでしょうか。

筋肉に必要な栄養と言えば、やはりタンパク質です。
タンパク質といえば肉類や魚介類ですね。
豆類にも豊富ですが、どちらかと言えば動物性タンパク質の方が、アミノ酸スコアの観点からも筋肉の役に立つようです。

ただ、超回復のためにはどちらかというとカロリーを重視すべきなのです。
特段減量中でない限りは、「色々な物をたくさん食べる」事が何より重要です。

カロリーは身長170センチ前後の男性の場合、2800kcal程は必要になります。
ざっくり基礎代謝量プラス1000kcalと覚えておけば良いでしょう。

もちろん、このカロリー量は筋トレをしっかりしている人用です。
筋トレせずに基礎代謝量プラス1000kcalも摂取すれば、確実に脂肪が増えますからね。

目指す体型次第!筋トレで作る細マッチョに必要な栄養素

今、男女ともに最も人気のある体型と言えば細マッチョでしょう。
一般人よりは明らかに筋肉量が多い体に絞られたウエスト。
逆三角形のシルエットはくっきり見えつつもサイズがデカすぎるという事はない、ちょうどいいマッチョ具合の体型ですね。

細マッチョ体型を作るためには、炭水化物をいかに上手くコントロールするかが鍵になります。
炭水化物は体内でブドウ糖へと分解された後、グリコーゲンとして筋肉内に蓄えられエネルギーになるのですが、余った分は脂肪になってしまいます。
脂肪が増えれば細マッチョにはなれませんから、いかに必要最低限の炭水化物量で毎日を過ごすかがポイントなのです。

一つの基準としては、筋トレする日は150g前後。
筋トレしない日は100g以下に抑えることです。

炭水化物が無ければ体内で合成される脂肪酸(体脂肪の素)の量は極めて少なくなります。
脂肪をつけないためには脂質ではなく、炭水化物を操るのが得策と言えるのです。

超回復を早めるグリコーゲンの働き!筋トレ好きの常識です

余分な炭水化物(グリコーゲン)は、脂肪になってしまうため多量の摂取は要注意。
これは前述した通りですし、ご紹介した摂取量を特に細マッチョを目指す方には厳守して頂きたいと思います。

ただ、このグリコーゲンは摂取するタイミングによって、その効果を最大に引き出すことが出来るのです。
つまり、少ない炭水化物の量でも十分に筋肉を回復させ、超回復に掛かる時間を早める事が可能となるのです。

炭水化物を摂取すべきピンポイントタイミングは、「筋トレ直後」になります。
このタイミングは体が最も栄養を欲している時であり、キングリコーゲンの持つ回復効果が最も活かされやすい時と言えるのです。

逆に寝る前には絶対に、炭水化物を摂取しないようにしましょう。
寝てる間はカロリー消費量は少ないので、ほとんどが脂肪になってしまいます。

プロテインとアミノ酸は超回復の味方!筋トレ後に摂取

筋トレ直後の体に、炭水化物と同じタイミングで送り込みたいのがタンパク質やアミノ酸です。
アミノ酸はタンパク質を分解しサプリメント化したものです。
また、プロテインはまさにタンパク質の粉になります。

炭水化物によって血糖値が上昇すると、これを抑えるためにインスリンが分泌されます。
このインスリンは血中の栄養素を細胞内に取り込む働きがあるのですが、この時血中のアミノ酸も筋肉の内部へと運ばれていくのです。

ですから、筋トレ直後には炭水化物とタンパク質(又はアミノ酸)を、なるべく早いタイミングで摂取することが大切なのです。

毎日筋トレしてても超回復は出来るって嘘?本当?

毎日筋トレしてても超回復は出来る

筋トレの上級者になればなるほど、トレーニングを行う日数は増えていきます。
週に5日は当たり前。
中にはほぼ毎日筋トレしているという人もいるのです。

では、毎日筋トレをしていても彼らは、なぜ無理なく超回復できているのでしょうか。
それは筋トレする部位を日によって分けているからです。
例えば、毎日筋トレすると言っても、脚は週に1回しか筋トレしていません。

部位ごとにメリハリを付けて筋トレするからこそ超回復の期間を分散し、筋肉痛の悪影響を避けることが可能となっているのです。

超回復を妨げない筋トレの部位分けについて

それでは、もう少し具体的に、初心者にオススメできる部位分けの例をご紹介しましょう。
既に解説した通り、超回復に必要な時間や期間は、対象筋肉が大きい程長く掛かります。

ですから、大胸筋・背筋・脚の筋肉は、それぞれ別の日に実施するのが効率の良いやり方と言えます。
種目としては、大胸筋は「ベンチプレス」や「ダンベルベンチプレス」、背筋は「デッドリフト」や「ベントオーバーロー」、脚は「スクワット」や「レッグプレス」がポピュラーな種目ですね。
この3つの大筋群は、週に1回ずつ筋トレするようにしましょう。

そして、大胸筋の筋トレ日には上腕三頭筋の筋トレを行い、背筋の筋トレ日には上腕二頭筋の筋トレをそれぞれ併せて実施します。
また、脚の筋トレ日には肩の筋トレを行うようにしましょう。

これで、週に3日の筋トレスケジュールは埋まりました。
あとは、空いた日に腹筋の筋トレを、週に2回程入れておけば十分です。
腹筋の筋トレ日は他の筋トレと被っても良いですし、独立させても問題ありません。

女性の筋トレ超回復は意外と早い!その時間や期間は?

意外に思われるかもしれませんが、実は男性に較べて女性の方が超回復の期間が短く、早い時間で筋トレできるケースが多いのです。

女性は必然的に男性と比べ、体重に占める筋肉の割合が小さくなります。
そのため、瞬発的に強い力は発揮できないのですが、逆に中程度の負荷を高回数行うことや筋肉がダメージから素早く回復する能力は高いのです。

女性の場合、初心者でも週に5回の筋トレは余裕を持って実施可能です。
一つの部位を週に2回筋トレできるはずですから、密度よりも頻度と回数重視で計画を立てましょう。

女性だから筋トレはチープでいいはず…なんて先入観は捨てるべきなのです。

アルコールや喫煙は悪影響?筋トレや超回復との関係

大人の嗜みとして毎晩、アルコールを飲んでいる人は多いと思います。
また、近年減少傾向とは言え、喫煙の週間がある方もいらっしゃる事でしょう。
これら大人の嗜好品は筋トレや超回復に関して何か悪影響はあるのでしょうか。

まず喫煙についてですが、残念ながらタバコは筋トレや超回復にとって百害あって一利なしです。
心肺機能は衰えますし、コルチゾルというストレスホルモンが多く分泌されてしまい筋肉の分解が進んでしまいます。

一方、アルコールは「適量であれば実害は無い」と言えます。
飲みすぎて次の日の筋トレパフォーマンスに悪影響が無ければ問題ありません。
同様に超回復にもさほど関係は無いと言えます。

ただし、アルコールのカロリーによって無駄に脂肪が増えてしまわないよう注意することは必要です。

筋トレの超回復まとめ

筋トレの超回復まとめ

筋肉を効率よく強くするためには超回復のサイクルを上手く活用し、「筋トレのし過ぎ」や「筋トレのしなさ過ぎ」を回避しなけれなりません。
つまり、超回復に必要な時間や期間の目安を正しく知り、超回復に役立つ食事や栄養をしっかり摂取しなければならないという事ですね。

厳密には、超回復が完了するまでの時間は、個人の体質やトレーニング内容によって変化しますから一概には言えません。
しかし、自分の体調と日々向き合っていれば可能な限り頻度を多く、同時に最高のパフォーマンスで毎回筋トレできるはずです。

超回復理論は、決して嘘や幻ではありません。
常に昨日の自分を超えるつもりで筋トレを続けることが、あなたの肉体を確実に成長させるのです。


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