多少脂肪がついてでも筋肉をガンガン増やす時期を経て、いよいよ薄着になる季節を前にすれば、今度は減量期に入ります。
筋トレによって、しっかり増えた筋肉を美しく、カッコよく見せるためには、減量によって体脂肪を削ぎ落とさなければなりません。
今回は、筋トレの減量のコツや食事のメニュー、サプリメントといった役立つ情報を総括してお届けいたします。
減量中の筋トレ方法や食事を実践的にご紹介
減量期はある意味、空腹との闘いになるわけですが、この厳しい時期にはそれ相応の筋トレの方法や食事方法があるものです。
増量期と同じような筋トレをしても効果が悪くなってしまいます。
また、食事量を単純に減らして無茶なカロリーカットを実施すれば、せっかく増えた筋肉が削れてしまいます。
減量期はやけくそにならず、丁寧に停滞期を乗り越え、ペースを守って計画的に進めていかなければいけません。
減量中の食事とサプリ!そのメニューやコツは?
減量で成功の鍵を握るのは、やはり食事メニューです。
カロリー及びタンパク質・脂質・炭水化物といった三大栄養素の配分を、しっかりコントロールする事が重要になります。
また、最近では脂肪燃焼効果を促進させるサプリメントも多数開発されています。
効果のあまり無い物も多いダイエット用サプリですが、今回は私自身が使用し、特に有用であると感じたものだけを厳選して紹介致します。
重要なのはやっぱりカロリー!どれくらいに抑えるべき?
まず大前提となるカロリーについてです。
カロリーはカットすればカットするほど脂肪を落とす効果は高まります。
しかし、その一方で必要な栄養素まで減らしてしまうと、筋肉が減ったり体調を崩してしまいかねません。
まず、基本となるのは基礎代謝量です。
基礎代謝は年齢・性別・体重でほぼ決まります。
成人男性の場合は、平均的な体格であれば、ざっくり1500kcal〜1600kcalになります。
ネットで調べればすぐに分かりますので、是非一度確認してみてください。
減量中はどれだけカロリーを減らしても、この基礎代謝量と同程度のカロリーは確保する必要があります。
食事のカロリーを毎回カウントするのは、面倒くさいと感じるかもしれません。
しかし、最近は多くの加工品のパッケージにカロリー量が記載されています。
また、減量中に限り食事メニューのレパートリーを絞ることで、計算を楽にすることも出来ます。
減量に大切な食事の順番!必要な栄養素は朝食・朝ごはん中心に
筋トレを日課としている人にとっては常識かもしれませんが、増量期だけではなく、減量期においても栄養を摂取する食事回数は、5回〜6回はキープしたいところ。
そして、カロリーや栄養の量は、朝から夜に向かって徐々に減少していくことが望ましいのです。
朝摂った栄養は日中の活動において消費され、脂肪としてほとんど合成されることはありません。
しかし、夜に摂った栄養は、その後体を動かすタイミングがほとんどないため、脂肪になってしまう割合が多いのです。
また、三大栄養素の一つ、炭水化物は特に「朝>夜」となるよう注意します。
炭水化物は活動に必要なエネルギー源であると同時に、余った場合は脂肪にとても変化しやすい栄養素なのです。
筋トレの減量に最適な食材具体例
筋トレしながらの減量に適した食材の条件とは、「高タンパク・低脂質・低炭水化物」であることです。
また、欲を言えば「安く」「簡単に調理ができ」「美味しく」「保存が効く」食材であれば文句ありませんね。
まず肉類で言えば、ササミや鶏の胸肉(皮無し)、豚ヒレ肉等が優れています。
魚介類の場合は、カツオ、ビンナガマグロ、ミナミマグロ(赤身)、イカ、タコ等が適していますね。
注意しなくてはならないのは大豆食品です。
豆腐や納豆は、一般的にはダイエット向きとされています。
しかし、意外と炭水化物も脂質も多いため、あまりオススメ出来ません。
その他、サバの水煮缶や糖質がカットされた麺類、ところてんやこんにゃく、ゼロカロリーゼリーなどは、特に減量期後半には役立つ食材となります。
筋トレの減量に役立つサプリはコレ!
脂肪燃焼効果のあるサプリメントにも色々あります。
中でも効果の高いサプリの一つとしてカルニチンが挙げられます。
カルニチンを飲むとエネルギーを消費する際、脂肪細胞を分解し脂肪酸を作ろうとする働きが高まります。
そのため筋トレのクオリティも上がりますし同時に脂肪減少も亢進するのです。
カルニチンは筋トレをする日は、トレーニングの1時間前に1000mg。
就寝前に1000mg摂取します。
また、トレーニングをしない日は朝に1000mg。
就寝前には、やはり1000mgを飲みましょう。
その他、CLAやカフェイン、カテキン(EGCG)にも減量効果が認められます。
一つのサプリメントを大量に飲んでも効果は限られます。
作用機序の異なる複数のサプリメントを組み合わせた方が減量効果は高まるのです。
減量のペースや期間について
無理な減量計画を立ててしまうと、ペースが乱れリバウンドしてしまったり、筋肉が大幅に削られたりしてしまいます。
基本的に、減量期間は目標とする体重に向けて「一ヶ月で5%以内の体重減少」に留めておくべきです。
つまり、月初めに体重が70kgだった人は、月末までに3.5kg以上は落としてはいけないという意味になります。
これは5%以上の体重減少は脂肪だけでなく、筋肉も大きく減っている可能性が高いからです。
減量の目的は、あくまでも脂肪の減少であって、単純に体重が落ちれば良いというわけではありません。
ちなみに、減量中は適宜、BCAAを飲むと筋肉維持に役立ちます。
BCAAは栄養素不足によって、筋肉が分解された際に産生されるアミノ酸類とほぼ同じ成分だからです。
減量中の筋トレメニューは?
減量中の筋トレメニューは、増量期とは少々やり方を変える必要があります。
増量期には、とにかく筋肉量を増やすことを第一目的とします。
ただし、減量中は筋肉を維持しつつ、いかに脂肪を燃焼させるために消費カロリーを稼ぐかが大切です。
基本的に、中重量多回数でメニューを組むことになります。
ただし、一日一部位を追い込むというより、複数部位、場合によっては全部位を少しずつトレーニングします。
これは集中的に一部位を追い込むと栄養不足、カロリー不足により回復に時間が掛かり過ぎてしまうからです。
減量中はボリューム重視!腕立ても高回数を目指す
自宅で手軽に出来る腕立て伏せですが、ボリュームを重視し高回数実施すると、かなりの消費カロリーとなります。
基本的には腕立て伏せや自重スクワットなど、軽めの筋トレメニューは限界数行うのが良いでしょう。
筋トレとダイエットを同時に開始したという人の場合は、全身の自重トレーニング(腕立て・腹筋・スクワット)を週に3回、それぞれ限界数までやれば十分に効果が得られます。
また、HIITと呼ばれる高強度インターバルトレーニングを自重で行うのも良い減量方法です。
これは、20秒のトレーニングと10秒のインターバルを交互に繰り返す運動方法で、主に複数の自重トレーニングを組み合わせて行います。
5分以内にかなりのカロリーを消費する事が出来ますから、とてもオススメです。
減量中こそ鍛えたい腹筋トレーニングのやり方とは
増量期には、ヘビーウェイトを扱う種目がメインとなります。
ただ、その分腹筋の形を整えるような種目にまでは手が回らなくなります。
減量期ではその分、腹筋を鍛えるためのトレーニングを行うことで、体脂肪が落ちた時によりカッコイイ腹筋が見えるようになるのです。
腹筋の種目は大きく三種類に分けられます。
まず腹直筋の上部を鍛える種目、腹直筋の下部を鍛える種目、そしてサイドの腹斜筋を鍛える種目です。
腹直筋上部を鍛えるためには仰向けに寝て膝を曲げ、ヘソを覗き込むような形で、少しだけ上半身を上げる「クランチ」が有効です。
一方、腹直筋下部を鍛えるには仰向けに寝て脚を伸ばし、そのまま90度の角度まで脚を上げる「レッグレイズ」が一般的ですね。
また、腹斜筋は「捻る動作」が効果的ですから、やはり仰向けの状態から上体を斜めに持ち上げるサイドクランチが効果的となります。
筋トレの減量期に有酸素運動はアリ?ナシ?
減量やダイエットと言えば、有酸素運動を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
ジョギングや水泳といった、比較的長時間運動し続けるタイプのエクササイズですね。
ですが、実は筋トレの減量と有酸素運動はとても相性が悪いのです。
有酸素運動では心肺機能に負荷が掛かりますが、人間はこの状況に適応するために、積極的に筋肉を削り落とし体重を軽くしようとします。
その一方で、脂肪はエネルギータンクの役割を持っていますから、なかなか減らそうとはしません。
サイズのあるカッコイイ筋肉というのは、主に瞬発系の力を発揮する「白筋繊維」ですから、有酸素運動に適応しようとする人間の体はこれを減らそうとしてしまうのです。
もし減量中に有酸素運動を実施するのであれば、息のあがらない程度のウォーキングくらいにしておくべきです。
これならば筋肉にダメージを与えず、代謝だけをアップすることが可能となります。
筋トレの減量期テクニック!チートデイや糖質制限、塩分コントロール等
筋トレの減量において、王道は間違いなく「栄養・食事・カロリーのコントロール」と「減量に適した筋力トレーニング」の継続です。
しかし、減量末期になると、体は停滞期にハマってしまい、なかなか体重が減らない期間が続いてしまいます。
この停滞期を打破するためには、色々なテクニックがあります。
また、最後の最後、なんとかもう一絞りして外見をパリッとさせるための特殊な方法もあるのです。
減量の停滞期を打破するためのチートデイとは
減量の停滞期は精神的に辛いものです。
毎日明らかにアンダーカロリーな生活のはずなのに体重が全く減らない。
ストレスに負けてダイエットに挫折してしまった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
停滞期には色々な原因が考えられますが、その一つとして「レプチンの分泌量低下」が挙げられます。
レプチンは通称「痩せホルモン」と呼ばれるもので、簡単に言えばエネルギーを無駄遣いして、代謝を高く維持してくれるホルモンのことです。
人間は飢餓状態が続くと、エネルギーをなるべく消費しないようにするために、このレプチンの分泌量を抑えようとするのです。
そこで、このレプチンを再びたくさん分泌させるためのテクニックがチートデイです。
チートデイでは、主に炭水化物を日頃の約3倍の量を摂取します。
これによって体に「食べ物はどんどんやって来ますからエネルギー無駄遣いしてもいいですよ。」
という嘘の信号を送るわけです。
これがチートデイの意味であり、何でも食べまくればいいというわけではありません。
また、2日も3日も続けるのではなく、1日で終了させなければいけません。
筋トレの減量期に糖質制限や炭水化物カットは行うべき?
まず減量初期において、糖質制限をすると体重はかなりのスピードで落ちます。
しかし、この体重減少は、主に体内のグリコーゲンとそのグリコーゲンに紐付く結合水の体外排出によるものですから、脂肪減少とはやや違う意味合いのものです。
ただ、減量末期において、一端体内の糖質を全て追い出し(カーボディプリート)、その後糖質を一気に大量に摂取する(カーボローディング)というテクニックは存在します。
これは通常筋肉内に存在している量を上回る筋グリコーゲンを蓄え、筋肉をパンパンに張らせるためのテクニックです。
つまり、コンテスト向けに体を仕上げるのでなければ、極端な糖質制限や炭水化物カットは必要ないということになります。
塩分を減らせば体重は減る!だけど注意点もあります
同じくコンテスト用の減量テクニックとしては、塩分カットも挙げられます。
体内の塩分濃度が低下すると、それを補うために肉体は水分を排出しようとします。
すると、筋肉と皮膚の間にある水分が抜け、より肌が筋肉にピタッと張り付いたような感覚になるのです。
ただし、塩分を抜きすぎると体調が悪化する可能性もあります。
あくまでも1日だけ、誰かの前で裸を披露するような時のための裏技として覚えておきましょう。
筋トレの減量方法まとめ
それでは最後に、筋トレの減量方法について重要部分をまとめていきましょう。
まず必要となるのは自分の基礎代謝量の確認です。
この基礎代謝量よりも200kcal〜300kcal多い程度のカロリー摂取量であれば、間違いなくジワジワと体脂肪は減少していくはず。
食事メニューは、ある程度パターンかしつつも飽きがこないよう工夫しましょう。
筋トレ内容については、一発の重さよりもトータルのボリュームを重視します。
一部位に集中的に刺激を入れるよりも複数部位を鍛える事を意識しましょう。
ただ、週に一度くらいは最大挙上重量に近いウェイトを扱い、神経系の衰えを防いだ方がよいかもしれません。
減量が一段落すると、次に考えなければならないのは体脂肪の維持です。
いきなり大食いしてリバウンドしてしまっては、努力が水の泡になってしまいます。
コツとしては1週間単位で、1日の摂取カロリーを300kcal程度ずつ引き上げていく事です。
こうすれば無理なく代謝が復活し、あまり脂肪を増やすことなく、コンディションを回復させることが可能となります。