まだ骨格や身長、その他の体の機能が発達の途中にある中学生。
そんな彼らにも筋トレの効果はあるのでしょうか。
中学生に筋トレを実施させる事については賛否両論あるようですが、最新の科学では一つの結論が明らかとなっているようです。
これまで日本では、中学生に筋トレをさせても意味がないといった意見や、身長が伸びなくなるといった間違った常識がまかり通っていました。
しかし、これは現在の科学では否定されているのです。
今回は中学生にも役立つ筋トレ方法やその注意事項について解説していきます。
正しい知識にもとづいて筋トレする事で、中学生でもその恩恵をしっかりと受ける事が出来るのです。
中学生も筋トレすべし!具体的なメニューも解説
体を健康的に発達させるためにも、そして競技スポーツでの成績向上のためにも。
中学生も筋力トレーニングを実施すべき、という意見が増えています。
これは科学的な研究や世界的な検証結果が数多く積み重ねられた成果と言えるでしょう。
ただ、本人や周囲の大人が正しい知識を持っていない場合はやはり筋トレは危険な行為となってしまいかねません。
中学生に向いた筋トレ方法やメニューというものがあるのです。
誤った方法での筋トレは、かつて言われていた「生育の阻害」に繋がってしまいます。
原理原則を知れば何も難しい事はありません。
そのための具体的なメニューについても後ほど解説していきましょう。
中学生も筋トレで体づくり!
最近は社会全体が筋トレやフィットネスブームに湧いていますよね。
ダイエットに頑張る中年男性も増えましたし、筋トレを始める若い女性も急増中です。
中学生は時流の動きにも敏感ですから、カッコイイ体を作りたいと思い筋トレを始めるケースも多いと考えられます。
筋トレは正しく実施すれば病気や怪我に強い、強靭な肉体を作る事が出来るのです。
これは中学生の健全な発育にとっても当然プラスと言えます。
中学生もどんどん行い、体を正しく発達させていきましょう。
中学生の筋トレにメリットは多いがやり過ぎに注意
筋トレを行えば当然の事ながら筋力が発達します。
筋トレは特定のスポーツテクニックを直接向上させる事はできません。
しかし、基礎体力を大きく成長させてくれるのです。
基礎体力が伸びれば例えば体育の授業で様々な運動が得意になり、それは自信にも繋がります。
体を動かす喜びを知りますし、男の子であれば逞しく成長していく自分の姿を見て誇らしくも感じるでしょう。
肉体と精神は密接に繋がっています。
筋トレを行う事で自分の体に興味を持つ事は健全な精神の育成にも役立つのです。
筋トレは他人と直接的に対決したり競ったりするものではありません。
体を動かしつつ、自分と純粋に向き合う事の出来る行為は筋トレ以外に実はあまり存在しないのです。
ただし、やり過ぎは注意ですね。
怪我や慢性的な痛みが発生してしまうと長期的に見て逆効果になりかねません。
このあたりはきちんと大人が指導してあげるべきでしょう。
中学生が毎日筋トレをする事のメリットとは
負荷を調整した上で、基本的に毎日筋トレする事は大きなメリットがあります。
中学生時代は、1日の生活リズムを正しく刻めるようになる事も重要です。
筋トレを毎日の生活に組み込む事によってメリハリが生まれ、継続的に努力を積み重ねる事を覚えられるでしょう。
筋トレはどんな人にも効果があります。
毎日少しずつ実施した結果、変化した自分の肉体を確認すれば「努力ってすごいんだ」という大きな成功体験を子供に与える事が出来るのです。
これは教育上素晴らしい効果があります。
筋トレの論理的な意味やテクニックを本人が理解するまでは、筋トレは毎日実施した方が継続させやすいようです。
毎日○時から○時まで必ず筋トレする。
これを当たり前の習慣として身につけさせる事ができれば、勉強やその他の活動にも応用が効きます。
中学生に最適な筋トレの頻度や回数は?
仮に毎日筋トレを行う場合であれば、上半身と下半身を分けて交互に実施するのが良いでしょう。
奇数日は腕立て伏せや腹筋、バックエクステンション等。
偶数日はスクワットやカーブレイズ、グルートハムレイズなどを行うと全身をバランス良く鍛えられます。
頻度については週に最低でも3回〜4回は行うべきです。
頻度が少な過ぎると筋トレの成果を実感できず逆に継続が難しくなります。
また、成果を得るには一度のトレーニングで高い負荷を与えなければならなくなります。
そのため、キツすぎてやはりヤル気を無くしてしまうかもしれません。
ですから頻度はある程度多く、そして一回あたりの負荷は軽くしましょう。
各種目の回数については10回以上連続で行えるように調整します。
重すぎたり、刺激が強すぎると関節にダメージが及ぶ可能性があるからです。
頻度は多め、負荷は軽く。
これが中学生筋トレの基本的な考え方になります。
中学生の筋トレは時間帯によっても効果は違う?
中学生が自宅で筋トレを行う場合、平日であれば朝の投稿前か、夕方以降の帰宅後という事になりますね。
この二つの時間帯ではどちらの方が筋トレに向いているのでしょうか。
もし、寝起きがそんなに悪くない子供であれば朝食後に軽く体を動かすのはとても良い行為です。
水分と軽く糖質だけを補給し全身を弱めの負荷でトレーニングする事で、ホルモンの分泌や体の代謝を向上させてくれます。
一方、がっつり体を鍛えたいのであれば、夕方以降の方が適しているケースが多くなるでしょう。
体もしっかりと覚醒しているでしょうし栄養レベルも安定させやすいと言えます。
本人の好みの問題もありますが、筋肉の発達を優先させたいのであれば、夕方以降の方が時間的にも余裕があるので適していると考えられるのです。
筋トレする中学生は食事も重要
成長期にある中学生は例え筋トレをしていなくても食事が重要です。
特に日本では子供に白米をたくさん食べさせる傾向があります。
白米は我々の主食であり、もちろん悪い食材ではありません。
しかし、白米至上主義に陥ってしまっている親も多いようです。
成長期に最も必要となる栄養素はタンパク質。
人間の体は水分を除けば残りはほとんどタンパク質で出来ているからです。
肌や爪、髪の毛はもちろん筋肉や内蔵もほぼ全てタンパク質で作られています。
タンパク質を多めに摂取するには肉や魚、乳製品が大切です。
脂質や塩分過多になってはいけませんが、これらの食品はたっぷり与えるようにしましょう。
中学生の筋トレにサプリやプロテインは必要?
成人した大人のトレーニーであれば、サプリメントやプロテインを全く飲んでいないという人の方が珍しいでしょう。
では、中学生の場合これらのサプリメントは必要となるのでしょうか。
結論としては、食事の栄養だけで賄いきれない場合は飲んだ方が良い、というのが答えとなります。
サプリメントやプロテインを飲む事を前提で食生活を組み立ててはいけません。
しかし、特にタンパク質などは普通の食事だけでは、十分量を確保するのは難しいのが現実です。
ですから、プロテイン等は毎日1杯程、時間帯はいつでも良いので飲むようにしたほうが良いと言えます。
また、ビタミンやミネラルについても品質が安全だと認められるものを規定量飲ませるのは悪い事ではありません。
女子中学生でも筋トレして大丈夫?
中学生の筋トレは決して男子だけのものではありません。
女子中学生だって筋トレしてももちろん大丈夫です。
中学生くらいから二次成長期が始まり男子と女子の体格差がはっきり現れ始めます。
女子中学生もより女性らしい体つきとなるわけですが、筋トレはこの成長期における変化に対して悪さはしません。
骨や腱等に過度の右端を掛けてはいけないのは男子と同様です。
適度な負荷であれば、女子も筋トレした方がメリットが大きいと言えます。
中学生が筋トレすると身長が伸びなくなるのは嘘!
「中学生のような成長期にある子供が筋トレをすると身長の伸びが止まってしまう」というような話を耳にされた経験のある方はとても多いと思います。
果たしてこれは真実なのでしょうか。
結論から言ってしまえば「嘘」です。
真っ赤な大嘘、都市伝説と言えるようなものですね。
その証拠に海外のジュニアスポーツの選手たちは積極的に筋力トレーニングを行っています。
そして、その結果日本人の同世代選手よりも遥かに大きな肉体を手に入れているのです。
もちろん大人になってからでも日本人より大きいですし、フィジカル的にも上と言えます。
身長の伸びを止めてしまうような骨格に垂直の圧力を掛けるウエイトトレーニングはまずいでしょう。
しかし、それ以外の筋トレは、むしろ身長を伸ばすのにプラスの効果すらあるのです。
中学生には正しい知識で十分な筋トレをさせてあげるのが正しい生育方法と言えるでしょう。
中学生向け具体的なオススメ筋トレメニューを紹介
それではより具体的な中学生向けの筋トレメニューについて紹介していきましょう。
中学生だからといって特殊なメニューを行う必要はありません。
ただ、これまで少し触れてきた通り、体全体の関節や筋肉を上手く連動させるような種目を多めに実施する事が大切となります。
また、部活やクラブ活動などで行っている専門スポーツ競技についても、その種目に適した筋トレというものがあるのです。
体の発育に悪影響を及ぼさず、しっかりとした逞しい肉体を作り上げ、そして専門競技にも役立つ筋トレを勉強していきましょう。
中学生筋トレは腕立て伏せや懸垂からスタート
中学生のうちはまずは自分自身の体だけを使っての自重系筋トレからスタートするのが良いでしょう。
自重系筋トレでも十分な負荷が得られますし、何よりも体の使い方が上手くなります。
たくさんの関節や筋肉を連動させる感覚を養う事が出来ますから、スポーツ競技にも役立つのです。
自重系の筋トレとしては、クランチやレッグレイズといった腹筋運動。
大胸筋や肩の筋肉を鍛える腕立て伏せ。
そして、下半身をしっかりとトレーニングするためのスクワット系の種目がメインとなります。
その他、鉄棒を使っての懸垂や斜め懸垂も腕と背中の筋肉を鍛えるのに有効ですね。
まずは、これらの種目を楽しみながら、毎日実施出来るようになりましょう。
そして、少しずつレベルアップしていけば良いのです。
中学生でもダンベルを使って筋トレ効率アップ
使い方によっては中学生でもダンベルを使ってトレーニングを行うのは効果的だと言えます。
重すぎる重量を無理やり扱うような筋トレはいけません。
しかし、上腕二頭筋や肩など、ダンベルを使った方がピンポイントで鍛えられる部位も多いもの。
中学生がダンベルを使う場合は前述した通り「ちょっと軽すぎるかな」と感じるくらいの重量から始めるのが大切です。
また、扱う場合は「座って」トレーニングした方が良いでしょう。
座って実施する事で反動をあまり使えなくなりますから、軽い重量でもターゲットに効かせやすくなります。
こうする事で関節や骨へのダメージを防ぐのです。
使い方を間違えなければダンベルを使ってのトレーニングはとても効果的なものとなります。
テニス用中学生筋トレの具体的メニュー
続いて具体的な各競技種目向けの筋トレメニューをご紹介していきましょう。
まずはテニスからです。
テニスは強靭な下半身と肩や腕、上背部の筋力が必要となります。
まず下半身についてはジャンピングスクワットやオルタネイトサイドランジが効果的です。
上半身は腕立て伏せやパイクプッシュ、バックプッシュアップ等を行い、肩や肩甲骨周りも鍛えていきます。
テニスの強いスマッシュやリターンを打つには強い筋力が必要です。
同じ技術レベルであれば確実に筋力の強い選手が有利となります。
サッカー用中学生筋トレの具体的メニュー
サッカー用の筋トレといえばやはり強靭な足腰を作り上げるのが第一の目的となります。
また、当たり負けをしないためにも腹筋と背筋といた体幹部の強化も忘れてはいけません。
成人であれば足腰の強化にバーベルスクワットやデッドリフトを行いたいところです。
しかし、中学生の場合は避けておきましょう。
怪我や骨格の発達へのリスクが大きくなります。
足腰を鍛えるためにはブルガリアンスクワットやランジ、マシンを使ってのレッグエクステンションやレッグカールが効果的です。
また、ふくらはぎを鍛えるためのカーフレイズも毎日ねちっこく数をこなすと良いでしょう。
サッカーは競技者数も多く、良い成績を上げるのは容易な事ではありません。
それだけにライバルに勝つためにも筋トレは非常に重要となるのです。
野球用中学生筋トレの具体的メニュー
サッカーに匹敵する、もしくはサッカー以上に苛烈な競争が繰り広げられているのがジュニア野球界です。
フィジカルに自信のある子どもたちが小さな頃から激しく争っていますから、当然ここでも筋トレは大きな効果を発揮してくれます。
まず野手にも投手にも共通して必要となるのが安定した下半身。
下半身の鍛え方についてはサッカー用の筋トレメニューを参考にして頂ければ大丈夫です。
上半身についてはピッチャーは三角筋と上背部の筋肉が重要となります。
また、野手の場合は長打力を伸ばすために広背筋が大きな役割を占めます。
三角筋や上背部を鍛えるための効果的な種目はパイクプッシュや軽めのダンベルを使ったフレンチプレスが良いでしょう。
また、トレーニングチューブを使って腕を振るトレーニングも球威を上げるのに効果的です。
広背筋のトレーニングとしては懸垂がベスト。
まずはジャンプして体を上げ、そこから少しでもゆっくり体を降ろす動作を繰り返し練習して広背筋を鍛えましょう。
中学生筋トレの注意点!負荷の強過ぎる筋トレはNG
ここまで何度か触れてきましたが、中学生の筋トレにおいては負荷の強すぎるやり方はNGとなります。
特に、バーベルを背中に担いで行うバーベルスクワットや、床に置いた高重量のバーベルを引っ張り上げるデッドリフト。
頭上にバーベルを掲げるバーベルショルダープレス等はやめておきましょう。
これらの種目は脊柱に垂直に負荷が掛かるため、身長の伸びを止めてしまったり逆に背を縮めてしまう恐れがあるのです。
また、関節に過度の負担が掛かる種目は全て禁忌となります。
適度な負荷で筋トレを行えば骨の末端にある成長軟骨を刺激する事が出来るでしょう。
また、成長ホルモンの分泌を促す事にも繋がるのです。
あくまでも、持てる成長のポテンシャルの発揮を、阻害しない事が中学生の筋トレには求められます。
中学生の筋トレまとめ
最新の科学や実際のジュニアスポーツの現場では、中学生であっても筋トレは積極的に実施する事が推奨されています。
フィジカルにおいて海外勢と比較して劣る場面の多い日本スポーツ界ですが、今後は徐々にこのような現状も改善されていくのではないでしょうか。
筋トレは安全に行う事が大切です。
ついついやり過ぎてしまいがちな中学生ですが、大人が上手くコントロールし最適な負荷を調整してあげましょう。
体を作り、自分に自信が持てれば勉強にも良い影響が与えられます。
中学生も無理の無い範囲でどんどん筋トレを行うべきと言えるのです。